「DAVOS(ダボス)」とは?
総合卸問屋「株式会社フカヤ」が企画・販売するオリジナルブランドの一つが「DAVOS(ダボス)」です。
この記事では、その「DAVOS」に関して「由来」「歴史」「コンセプト」「製品の魅力」や「知られざる秘密」について本社に保管されている、過去のカタログ画像などの貴重な資料を基に掘り下げて解説致します。
「株式会社フカヤ」とは?
「株式会社フカヤ」は1911年(明治44年)名古屋市中区で深谷商店として自転車商社を創業。
「自転車とともに歩んで一世紀余」110年以上経った今でも「卸販売」「海外製品輸入販売」「企画販売」など、自転車に関わる業務を幅広く展開している総合卸問屋です。
「DAVOS」の誕生
DAVOSの起源は1990年代にさかのぼります。当時「FUKAYA」ネームで販売していたツーリングモデルの「FK-603 TOURING」「FK-308 SPORTIF」を「DAVOS」ブランドとして販売を開始したのが始まりです。
尚、社内ではモデル名のナンバー(数字)は車の「86(ハチロク」と同じ読み方で「603(ロクマルサン)」「308(サンマルハチ)」と読んでおり以降の後継モデルも同様の読み方をしております。
ブランド名「DAVOS(ダボス)」はスイスの「DAVOS(ダヴォス)」という地名に由来しています。
ダヴォスは、スイス東部のアルプス山脈に位置するリゾート地であり、世界的に有名な観光地です。
特に自然の美しさと高級リゾート地としての特徴を併せ持つ、ヨーロッパの「景勝地」の一つとして知られています。
DAVOSブランドも、その景勝地の「美しい景色」を目指してツーリングするイメージを製品に反映しています。
リニューアルした「DAVOS」の等高線デザインは、このダヴォスの地区の地図をトレースしオマージュしたデザインです。
「DAVOS」のコンセプト
DAVOSは販売当初から「価格と性能の両立」をコンセプトに様々な製品をリリースしてきました。
その根底には「日本のサイクリストのための、日本のサイクルシーンに求められる製品」を全国に届けることを使命とし、今も「お求めやすい価格と品質のバランス」を基準に企画・販売しております。
「DAVOS」の歴史
日本でツーリング用自転車のブームが始まったのは、主に1970年代から1980年代にかけてです。
この当時、アウトドア活動や自転車旅行が注目を集め、多くのサイクリング愛好者が「ランドナー」「スポルティーフ」を使用するようになりました。
ランドナーは、舗装道路や未舗装の道を問わず快適に走行できる設計が特徴で、長距離の自転車旅行に適していることから人気を博しました。
このブームは、特に日本国内のサイクリング文化や観光地巡りに大きな影響を与えました。
この頃のDAVOSは「DAVOS TOURING」のロゴでTOURINGバイクは全てDAVOSブランドで販売していました。
2004年には現在の「DAVOS」ロゴになりラインナップも拡充され「TM-616 ミキスト」「SG-603DX ランドナー」を販売。
2005年、マウンテンバイクコンポーネントを搭載した「MT-603」を販売
2008年にはシングルスピードでも、内装変速ハブでも使えるエキセントリックBB仕様のクロモリMTB「F500 MTB」を販売。
2010年頃からカーボンロードバイクの進化と低価格ブームにより、ツーリングバイクの販売が下火になりモデルも「603ランドナー」「309スポルティーフ」へ縮小。
「309スポルティーフ」はセンタープルブレーキを採用した「308スポルティーフ」の後継モデル。
2011年「深谷産業(旧社名)」100周年を記念して「603ランドナーDX 100周年記念モデル」をリリース。
当時のツーリングバイクでは最高級のパーツでアッセンブルした、まさしく「DX(デラックス)」な内容でした。
2015年を境目にエアロカーボンロードバイクが市場に台頭しクロモリフレームのツーリングバイクは「クラシカル」バイクの扱いになっていきます。
しかし、一定数のツーリングバイクファンからは「603ランドナー」は支持され市場からなくなることはありませんでした。
2019年、E-BIKEの市場へクロモリツーリングバイクの発想を組み合わせた「E-600」をリリース。
さらにドロップバーDi2仕様の「E-601」もリリース。
2020年、コロナ渦によりレースイベントの衰退と同時に密を避けた遊びとして「ソロツーリング」「グラベル」「ブルベ」などの新しいムーブメントが訪れます。
そして2021年DAVOSにとって転機が訪れます。
「株式会社フカヤ・創業110周年」を記念して「603ランドナー」の後継モデル「D-604 ネオランドナー」をリリース。
当時のグラベルバイクブームの後押しもあり、限定カラーを販売するほど人気モデルとなります。
尚、「ネオランドナー」のネーミングは長年ツーリングバイクを販売してきたDAVOSとしては「グラベルはツーリングの過程でしかない」と考え、敢えて専用バイクのネーミングを使用しないで「グラベルも走れるツーリングバイク」「ツーリングバイクの進化系」としての思いを込めて「ネオランドナー」とネーミングしました。
ちなみに「D(ディー)」の意味はDISCブレーキの頭文字(イニシャル)「D」です。
2022年には「309スポルティーフ」の後継モデル。「D-309ネオスポルティーフ」をリリース。
「D-309ネオスポルティーフ」はDAVOS初のカーボンを採用した次世代ツーリングバイクとして「Ver.2」まで販売される大人気モデルとなりました。
2023年、「F500 MTB」の後継モデルとして「M-605 All-TERRAIN」をリリース。
エキセントリックBBではなくリアスライドエンドを採用しホイールベースやタイヤサイズが変更できるバーサタイルな現代版 All-TERRAIN-BIKEとして話題となりました。
2024年には「D-604 ネオランドナー」をさらにブラッシュアップしサイズ展開を増やした「D-604 ネオランドナーVer.2」をリリース。
身長150~185㎝までカバーできるサイズ展開とリアスライドエンドを採用し、女性や若者にも受け入れてもらえるポップなカラーリングが人気で今に至ります。
「DAVOS」製品の特徴
DAVOSは車体だけでなく様々なアクセサリー製品のリリースを行ってきました。
しかしDAVOSは自社工場を保有していません。
「株式会社フカヤ」は国内外のあらゆる製造メーカーの製品を、長年取り扱いする総合卸問屋です。
DAVOSはその「繋がり」「強み」を活かして各ジャンルの「プロフェッショナル」「パイオニアブランド」と提携しコラボレーションした製品を製造してもらっています。
それが、あらゆるジャンルのアクセサリーをリリースできる「DAVOS製品の秘密」です。
有名ブランドとのコラボ製品
DAVOSブランドは、その時代に適した価格と高品質な製品を提供してきました。
以下に、代表的なブランドとコラボレーションした製品を紹介します。
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IRC「BRILLO×DAVOS」
「ツーリング仕様」のATBタイヤ。新たに「27.5 インチ」「29 インチ」が追加し、幅も 2.0 から 2.1 へサイズアップ -
OSTRICH「グラベル輪行袋 G-110」
グラベルバイク、MTB(タイプ・サイズにより)兼用の輪行袋。 -
CATEYE「AMPP800 DAVOS」
「DAVOS」ブランドを象徴する等高線をイメージしたデザインのライト - Selle Italia「X-BOW SUPERFLOW DAVOS」
グラベル/オフロード向けモデルのショックアブソーバー入りサドル。高級感のあるゴールドロゴカラーのサドル -
HONJO「グラベルフェンダー」
スタイリングと機能も追求し別注したアルミ製ミドルフェンダー -
MKS「US-S DAVOS」
グラベルバイクに合うカラーリングに別注したビンディングペダル -
MINOURA「GR-1 グラベルラック」
本体は全て「板材」で構成された多機能ラック - PolarBottle「Breakaway Muck Insulated – DAVOS」
グラベルライダー向け、吸い口への汚れ防止キャップが付属したボトル - FixPlus「DAVOS GP-2 グラベルパッキングケージ」
GP-2付属の耐紫外線、耐カット性能に加え、耐寒性/耐熱性にも優れたベルト - パールイズミ「F471 DAVOSプリントキャップ」
DAVOSブランドを象徴する等高線をイメージしたデザインが施されたオリジナルサイクルキャップ。 - Panaracer「DAVOS GRAVEL RUNNER」
ツーリングタイヤの王道「Road Runner(ロードランナー)」のトレッドパターンをそのままに、グラベル用としてリニューアルたグラベルツーリングタイヤ
「DAVOS」の未来
DAVOSは、常に「日本のサイクリスト」のことを考えて「お取引店舗様」「ユーザーの皆様」から必要とされる製品を適正な価格で販売してきました。
そしてこれからのDAVOSの未来は「サイクリストの皆様」次第でどのようにも変化していきます。
それは「こんなアイデアがあるけど製品として販売していない…」「もっと便利な製品を増やして欲しい…」「DAVOSにこんな製品があったら…」など、日本のサイクシーンの最先端で遊んでいる皆様のご意見を反映し製品を企画しているからです。
DAVOSは引き続き、皆様の「要望」や「遊び」からアイデアが生まれてくる「新たな時代にふさわしい製品」を提供していく方針です。
皆様のご意見を「フカヤお取引店舗」様へお寄せください!