【MINOURA】トレーナー使用時の騒音問題について(3本ローラー)

前回に引き続き、今回は3本ローラーの場合について考えてみましょう。

一般的には後輪固定式トレーナーより3本ローラーのほうがうるさいと言われています。

その理由はなんなのでしょうか?

前回後輪固定式トレーナーでは、製品そのものは音・振動を他者に害する
レベルでは発生していないと紹介しましたが、何故「3本ローラーのほうがうるさい」と
断ぜられるのか…

端的に言えることは、使用者に聞こえる音が3本ローラーのほうが大きいから
ということです。

一番の要因はドラムと呼ばれる3本の筒です。
このドラムは高速回転体です。3本ローラー上にて時速30km/hで走行したとき
ドラムは1秒間に約33回転しています。
そのときドラムから発生する音は、
1.タイヤとの摩擦音
2.ベアリングの回転音
の2点です。
たった2つの音なのに何故大きくなってしまうのか?

答えはドラムの内部で音が反響してしまっているからです。
この原因を解決するには現状の価格帯では困難と言わざるを得なく、
MIOURA開発陣も常に解決策を模索しています。

ドラムから発生する音は2点と説明しましたが、
使用を続けるうちにもう1つ音の原因となる事象が発生します。

それは振動です。
振動の原因となるのはドラムの回転を支えるベアリング周辺の損耗で
損耗から振動を生み出し、大きな音を発生させてしまいます。

それではドラムのベアリング周辺が何故損耗してしまうかを説明致します。



MINOURAのドラムは全て金属ドラムを採用しています。
これはたわみを少なく、かつ回転精度を高めるため譲れないことです。

金属ドラムはたわみが少ないですが全くたわまないわけではありません。
たわみとはどういったことか?


少々おおざっぱな図になりますが、3本ローラーを使用しているときは
ライダーと車体の重量をドラムが受け止めます。
僅かではありますが、地面側に圧されるようにしなる(たわむ)ことになります。

たわむとどうなるか。

ドラムは両端にキャップを圧入し軸・軸受ベアリングを固定しています。
モデルによってはキャップ部に樹脂パーツを採用しています。
現行モデルであれば、MozRoller/R720が対象となります。

軸が直接たわむことはありませんが、ドラムのたわみと同様にキャップが動き
ベアリングとキャップが接触する場所に負担がかかります。

図は極端に表示していますが、ベアリングとキャップの接触部が抉られてしまい
金属より弱い樹脂キャップ側が削られてしまいます。
そうするとベアリング圧入部にガタツキが発生してしまいます。

このガタツキが振動の原因です。
但し、このガタツキは不良ではなく消耗となります。
MINOURAでは修理対応を行っておりますので、購入店舗様を通じて修理依頼を承っております。

ガタツキの修理は新品のキャップとベアリングを圧入して対応します。
稀に販売店様や、ユーザー様ご自身で修理をされるという場合がありますが
回転精度維持のためにもMINOURAへお任せください。

回転精度を保つ生産ラインは下記で確認いただけます。

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高回転体であるドラムの真円度は3本ローラーの精度の要。
Made in JAPAN のクオリティだからこそ多くの方に愛用頂けています。

 

振動の要因に前回の後輪固定式トレーナーでも記載しましたホイールの振れもあります。
併せてご確認ください。