サイクルトレーナーを自宅で使用するにあたり気になる点の第1位は周囲への音による影響です。
では、漠然と「音(騒音)」と呼ばれるものについて考えてみましょう。
後輪固定式トレーナーに関しては、製品そのものが発生する音・振動はほぼ生活環境下で他者に害するレベルではありません。
ベンチテストにて性能実験を行い、発生する音・振動に対してチェックを行っています。
では、実際に使ってみたときに何故うるさいというような意見が挙がるのか?
まず音という捉え方ですが、自身に聞こえる音と他者に聞こえる音は今回の騒音問題では捉え方を別けて考えないと問題は解決致しません。
弊社が推奨する環境で後輪固定式トレーナーを使用した場合、使用者自身に聞こえてくるのはチェーンノイズと若干のタイヤグリップノイズになります。推奨環境でなくとも多くの場合は同様になることでしょう。
にもかかわらず隣の部屋や階下の部屋からは苦情が発生することがあります。
理由は『振動』です。
床材を伝わって部屋の壁・階下へ振動が発生し、他者へ音として知覚され、騒音として認識されます。
後輪固定式トレーナーに振動を発生させる要因は複数あります。
1.ホイールの振れ
横振れも影響ありますが、縦振れの影響が大きいです。
自転車を進行方向に向けた時に左右にタイヤ(ホイール)が振れることを横振れ、上下に振れることを縦振れと言います。
ホイールの振れは通常使用していれば発生する事象です。振れを取るのはメンテナンスとして必要です。
振れ取りメンテナンスについては最寄の自転車販売店様へご相談ください。
サイクルトレーナーの場合、路面走行と違い負荷装置(ドライブローラー)は金属で且つ位置が変わることがないため縦振れの影響が大きくなります。
通常スポーク本数が多いホイールほど縦振れの調整が細かく行えます。昨今のスポーク本数が少なくデザイン重視のホイールの場合縦振れを調整しきれないものもあります。
2.タイヤの状況
タイヤは負荷装置(ドライブローラー)とダイレクトに接するため、その状態による影響は発生します。
まずは空気圧の確認を行いましょう。
推奨空気圧は通常路面走行時より高めに設定してください。
一般的なロードタイヤ700x23C程度であれば8bar程度が良いでしょう。
屋外で使用したタイヤをサイクルトレーナーでも使用する場合は、タイヤの汚れ・付着物・異物を取り除きましょう。
※ゴム製品のため真円に近い精度になっているタイヤは大手ブランドの一定グレード以上のモデルに絞られますが、騒音を気にされる方は安価なタイヤの使用は避けることをお勧めいたします。
3.負荷装置(ドライブローラー)との設置状況
負荷装置(ドライブローラー)とホイールは垂直に接している状態を推奨します。
設置状態の違いによる振動増加を試験結果として確認しています。
負荷装置が取り付けられている台座に対し負荷装置は2本のボルトで固定されています。
その取付位置をホイールに対し垂直になっているか確認をしてください。
また、使用している間に何らかの外的要因により台座が曲がってしまっているような症状が確認された場合は台座の交換をお薦め致します。
このように後輪固定式トレーナーの場合、上記3点を注意していただければ振動による他者への騒音を抑えることができます。現在サイクルトレーナーを使用されている方、これから購入を検討されている方、どなた様も覚えておいていただけると幸いです。